参照基準問題は,広い視野から見るほど,私たちに科学観,
経済学
方法論に深く関わる問題を投げかけていることがわかる。一方で,科学哲学を理解せず,
経済学
をデータに基づいた実証科学だと考える信仰が,
経済学
教育の視野を狭くしている。本報告では,
経済学
を理解するための科学モデルを提示し,認識のフレームワークがいかに具体的な経済問題の理解に直接影響するかを教材例を用いて示し,さいごに
経済学史をベースにした導入的経済学
教育の提案を行う。あわせて,標準的な
経済学
がそれほど論理的でもないことを比較優位の原理を題材にした教材例で示し,また,マルクス
経済学
=悪という誤解についても言及する。
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